モロッコ
外国人派遣スタッフ 6人
現地スタッフ 11人
2005年10月、約3千人のサハラ以南アフリカからの移民が、スペインの飛び地であるセウタとメリリャ、およびラバトとカサブランカ市内で身柄を拘束された。
彼らはモロッコ警察によってバスに乗せられ、モーリタニアとアルジェリアの国境に近い国内のサハラ砂漠地域に運ばれた。ここで千人以上が、食糧も水も医療へのアクセスもないまま砂漠に放置された。
国境なき医師団(MSF)はこの事態に対し、直ちに緊急医療の提供や食糧、水、毛布の配給などの援助活動を開始すると同時に、この非人道的な措置を非難した。100人以上が外傷や打撲傷の治療を受けたが、中には砂漠に追放される前に、スペイン領へ入ろうとフェンスを乗り越えようとして負傷した人もいた。またその他の打撲傷の多くはゴム弾や殴打によるもので、スペインおよびモロッコ当局による暴力行為の結果であると負傷者たちは主張している。
避難先を求める人びとを含め、合計4千人以上がこの集団追放に巻き込まれた。最終的に3500人以上がマリとセネガルに送還され、その他の人びとはさまざまな土地に自力で移動した。
これらの人びとは、スペインとその他のEU諸国への入国を目指す途中でモロッコを経由する、年間何千人にものぼる不法移民の一部である。年々厳しくなる国境警備のため、多くの人びとは食糧、水、医療ケアを得るのが困難な、荒れ果てた土地に留まらざるを得ない。
MSFは2005年9月に、2年間にわたるタンジェ、ナド―ルおよびウジュダにおけるプログラムの医療データと証言をまとめた報告書を発表した。「暴力と移民:モロッコにおけるサハラ以南からの不法移民に関する報告」によれば、2003年4月から2005年5月の間に診察を受けた人びとの25%という憂慮すべき数字が暴力による負傷であり、特に重傷を負った人びとの62%は、モロッコおよびスペインの治安部隊から暴力を受けたと主張している。
MSFはモロッコにおけるサハラ砂漠以南からの移民の援助を2003年から行っており、モロッコの医療機関の支援を受けながら移民に医療を提供している。これらの弱い立場におかれた人びとは、予防接種や妊婦ケアおよび家族計画を必要としている。またMSFは各地域での移動診療活動を通して感染症の発生に備えている。2005年にMSFは4245件の診察を行い、タンジェ、ナドール、ウジュダで約2500人を治療した。また、シェルターや毛布、救援物資の配給により衛生環境の改善に努め、移民が最低限の生活を行えるように援助している。
2006年初め、治安部隊からの絶え間ない圧力に加え、不法移民15名が命を落とした事件を受け、モロッコ北部にいた移民の大半が都市部に移動したが、数百人は森の中で劣悪な環境下に取り残された。MSFは移動診療を通じて、森に暮らす人びとへの援助を続けている。
スペイン政府は、セウタおよびメリリャのスペインとモロッコを隔てている境界フェンスを高くした。その結果、これらの地域における移民の数も減少し、これに伴ってMSFの活動も減少している。しかしMSFはこれらの地域における活動に基づき、引き続きサハラ砂漠以南からの移民へのより人道的な措置を呼びかけている。また、モロッコ国内のサハラ地域に加えアルジェリア、モーリタニア北部において、危機的な状況に陥る可能性のある人びとの健康状態を監視している。これらの地域は不法移民がカナリア諸島に向かう出発地であり、国際機関がほとんど入っていない地域である。
MSFは1997年からモロッコで活動を行っている。














