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中国

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国連エイズ合同計画(UNAIDS)によると、中国のHIV感染者は65万人にのぼる。中国の医療システムは一般的に市場指向型で、診療ごとに費用を支払う形式であるが、中国政府はこのほど包括的なHIV/エイズ対策に乗り出し、エイズ患者に対して、中国製および外国製の抗レトロウイルス(ARV)薬を併用するARV治療の無料での提供を開始した。国境なき医師団(MSF)は、同国内においてHIV/エイズ治療のモデルとなるプログラムを続けている。

MSFは2003年12月から、広西チワン族自治区南寧市の疾病管理センター内にある小規模な診療所でエイズ患者の治療にあたっている。ここでは月平均315件の診察を行っており、276人の患者に無料でARV治療を提供している。当初、広西チワン族自治区でARV治療を無償で提供していたのはMSFのみであったが、現在では政府が同様の施設を数ヵ所開設している。MSFのプログラムは、秘密保持とカウンセリングをことさら重視している点で際立っている。

中国中部では、HIV/エイズの感染経路は通常と異なる。ここではほとんどの人が、売血を行う際の非衛生的な採血・輸血によりHIVに感染している。この地域の村人は、収入を補うために習慣的に売血を行ってきた。MSFは湖北省の襄樊市にて、襄樊疾病管理センターと共同で治療を行う診療所を運営している。診療所の登録患者は360人以上であり、無料のARV治療を受ける患者は140人にのぼる。訪問ケアや徹底した教育活動もこの活動の一環である。中国におけるMSFの全活動は地域社会に深く根ざしており、患者の支援団体への援助や、患者の家族や医療従事者、より広範な地域社会に対する情報提供も行っている。

河南省でのプログラム立ち上げの試み

MSFは2002年より、襄樊市に隣接する河南省でも活動を行う試みを続けてきた。河南省では30万人かそれ以上の人びとがHIV/エイズ治療を必要としていると推定される。多くは売血によるHIV感染である。襄樊市でHIV/エイズ治療プログラムを受けている患者の5人に1人が河南省の出身であり、同省の患者からの治療の要望は2006年に激増している。MSFは河南省でのプログラムの立ち上げを繰り返し試みてきたが、省当局はMSFが同省で活動することを拒み続けている。

医薬品入手のための取り組み

MSFは中国でエイズ治療薬、特に多剤混合薬の入手が容易に行えるよう政府に働きかけている。多剤混合薬を使用すれば、エイズの治療はより簡略化できる。しかし、現在中国では、知的所有権保護やその他の要因により多剤混合薬の使用が阻まれており、結果として、使用できる治療薬の種類が限られる、必要な薬が入手できない、薬価の高騰などの事態を招いている。製造能力が限られる中国では多くの医薬品が入手不可能であるか、あるいは非常に高価であるが、特許の障壁によりジェネリック薬の製造がしばしば妨げられる。現在、必須医薬品キャンペーン担当、薬剤師、法律の専門家からなるチームが報告書を作成し、医薬品へのアクセスにおけるさまざまな障壁について人びとの認識を高め、克服するための取り組みを行っている。

ストリートチルドレン・プログラムの引き継ぎ

MSFは2000年から陝西省宝鶏市でストリートチルドレンの支援プログラムを続けてきた。この支援センターと保護施設は、ストリートチルドレンに医療面および心理面、社会面からの支援を提供するために開設された。2005年には109人の子どもたちが同施設に保護された。MSFはこのプログラムの運営を引き継ぐ地元NGOの設立を支援した後、2006年3月に宝鶏市での活動を終了した。

MSFは1988年から中国で活動を行っている。