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アンゴラ

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30年に及ぶ内戦の後、アンゴラの医療制度の立て直しは緊急医療援助から始まった。しかし、この国の現在の医療システムは痛ましいほどに不十分のままであり、2006年2月には首都ルアンダで史上最悪のコレラ流行に見舞われた。

コレラ発生時に国境なき医師団(MSF)は既にアンゴラ国内各地で数々のプログラムを実施していたが、ルアンダに10ヵ所のコレラ治療センター(CTC)を開設し、ピーク時には1日に最大400人の入院患者を受け入れた。その後、この細菌性疾患の拡大に対処すべく、15~20の治療センターを他の地域にも開設した。治療活動を補完するため、水・衛生環境の整備も行った。

コレラの治療には、水分と電解質の迅速な補給が必要となる。MSFは患者に経口補水塩を投与でき、重症患者を迅速に最寄りのCTCに移送できるよう、40ヵ所の経口補水塩ポイントの運営を行った。これにより入院が不要な患者に効果的な治療を提供できるようになり、CTCへの負担を軽減すると共に、コレラ感染の発見から必要な患者を移送するまでにかかる時間も短縮することができた。

教育的な要素もこの緊急援助の一環であり、全国や地方のラジオ局を通じてコレラの歌を放送した。コレラの発症例は5月中旬には減少し始め、MSFは保健省へ治療センターの移管を開始した。

2006年2月中旬から9月初旬までの間、5万3千人がコレラに感染し、推定2100人が死亡した。MSFは2万6千人以上の治療を行い、感染地域へ400トン以上の医薬品・物資提供を行った。

HIV/エイズ、結核、マラリア患者の治療

MSFは2005から2006年にかけて、マランジェ州、ルンダ・ノルテ州、ビエ州においてHIV/エイズ、結核、マラリアに感染した患者へのケアを継続して行った。また、MSFはマラリア治療において非常に効果的なアルテミシニン誘導体と他の抗マラリア薬の併用療法(ACT)を導入し、ACTを新たな治療法として導入した政府に対して、治療薬を早急に全国的に普及させるよう要請している。

MSFはまた、ビエ州クエンバで、地元住民や周辺諸国から帰還したアンゴラ人難民約8万4千人に医療ケアを行う診療所への支援も行っている。2005年にはここで40人以上の結核患者が治療を受けた。MSFはクイトの州立病院における結核治療プログラムへの支援も行っており、約500人の患者が直接監視下療法(DOT)による治療を受けている。

MSFは、モシコ州ルアウでベッド数53床の病院を支援し、2005年にこの病院では2万人以上の外来患者の診療を行い、月に約125人の患者を受け入れた。また、5地域の保健所に対する支援も行い、人口が散在している地域においては移動診療チームによる診療を行った。2005年中、この移動診療チームは3万件以上の診療活動を実施している。

さまざまなプログラムの終了

国内情勢の安定化に伴い、MSFはその活動の多くを移管することとなった。これらの活動には、クアンザソル州ムセンデ(2006年3月)、フイラ州クバンゴ、ビクンゴ(2006年3月)、ウイジェ州カンゴラ(2006年7月)、ウイジェ州マココラ、ブエンガス (2006年12月)、ベンゴ州カクシト(2006年1月)、クアンドクバンゴ州マビンガ(2006年9月)などの地域における様々なプログラムやルアウ一時滞在センター(2005年9月)での活動などがある。

国内情勢の安定化に伴い、MSFはその活動の多くを移管することとなった。これらの活動には、クアンザソル州ムセンデ(2006年3月)、フイラ州クバンゴ、ビクンゴ(2006年3月)、ウイジェ州カンゴラ(2006年7月)、ウイジェ州マココラ、ブエンガス (2006年12月)、ベンゴ州カクシト(2006年1月)、クアンドクバンゴ州マビンガ(2006年9月)などの地域における様々なプログラムやルアウ一時滞在センター(2005年9月)での活動などがある。

MSFは1983年からアンゴラで活動を行っている。

コレラ治療センターの現実 - 2006年3月 ルアンダにて

コレラ治療センター(CTC)内はいささか混乱状態である。ベッドは全て満床となり、中には一つのベッドを共有しなければならない患者さえいる。医療スタッフとロジスティシャンはそれぞれ全力を尽くして活動している。ロジスティシャンがさらに20床のベッドを用意すべく、新しいテントを設置しようとしても、必要なスペースが足りない。CTCそのものが常に必要最小限のものである。入口には消毒場所があり、コレラの原因となる細菌を殺菌するため、ここで全員が塩素噴霧をする。コレラは非常に感染力が強いため、感染した人びとを隔離し、彼らと接触した人びとを消毒することが不可欠となる。センターにはまた、新たに到着した患者のトリアージ(治療優先順位を決める)を行う場所、薬局、水分補給所、トイレ、そしてベッドが何列も並べられているいくつかの大きなテントが設置されている。それらのベッドの中央には穴が開けられ、その下にはそれぞれ「嘔吐物用」「排泄物用」と記された2つのバケツが置かれている。

多くの人がこの屈辱的とも言える状況にショックを受けるだろう。しかしコレラを治療する唯一の方法は、患者に体内から細菌を排出させ、できる限り迅速に水分補給をすることである。手遅れになることなくセンターに到着した患者の治癒は早い。

センターのほとんどの患者は、水分補給のため、乳酸リンゲル液の点滴を受ける。MSFのスタッフは患者達に点滴を行うため24時間体制で活動し、1人の医師が午前中だけで50人の患者に点滴を行うことさえある。患者は点滴を始めると、常に監視下に置かれる。幼い子どもに過剰な点滴が与えられた場合、肺水腫の危険性もある。また、成人に対しては迅速に与えられないと、脱水症により死亡する可能性がある。

コレラの発生が疑われ始めた当初は、糞便サンプルが診断に使用されていた。しかしCTCが設置された時点で、このような検査はほとんど必要ないものとなった。センターを訪れる大多数の人びとには、最も深刻な患者による感染の恐れがある。これらの重症患者は、ある看護師の言うところの「コレラ眼」という、すぐに判別できるほどに眼が落ち窪み、周囲の人や環境も認知できない状態にある。

このセンターにいるほとんどの患者は、コレラの発生が最も深刻なルアンダ最大のスラム地域の一つ、ボア・ビスタ出身である。だが、5才の息子が治療を受けているフロリンダ・マテウス夫妻にとっても、限られた公共交通機関でCTCを訪れることは容易ではない。

「テレビでコレラについての警告を見て、息子のネロをここに連れて来なければと思いました。でも普通のバスではここまで来られないため、タクシーを呼ばなければなりませんでした。息子が病気だということが分かっていたため、通常よりもずっと高い料金の1500クワンザを要求されました。」他にも強盗に襲われる心配から夜間にセンターを訪れることを恐れる患者がいるため、毎朝患者がCTCに集中する結果となる

うした遅れにより、患者の脱水症状が進み、センターに到着しても既に手の施しようがないこともある。

コレラの流行を阻止するため、人びとへの教育もコレラ対応の一環に含まれているが、残念ながらコレラ予防は単なる知識の問題ではない。アンゴラで啓発活動の運営を手助けするジュリア・パーカーはこう述べる。「ルアンダで私達が話した人びとは、手を洗わなければならないこと、水を処理しなければならないことは分かっています。でも今の状況では衛生環境の改善はなかなか望めないのです。」