国境なき医師団 イエメン・ボート難民への援助活動報告会

2008年02月17日掲載

-命懸けでアデン湾を航海するソマリアからのボート難民たち-

萩原麻美子医師(内科医)による活動報告会を開催

image

国境なき医師団(MSF)よりイエメンに派遣され、ソマリアからイエメンへと脱出したボート難民の救援活動を行った内科医の萩原麻美子医師による活動報告会を、4月9日(水)19時からこどもの城(東京都渋谷区)にて開催しました。

ソマリアやエチオピアでの紛争から逃れるため、ソマリア北東部から密航船でイエメンへとわたるボート難民の数は年間2万5千人に上り、小船での過酷な航海により、毎回多数の負傷者や死者、行方不明者が発生しています。MSFは2007年9月からイエメンでの活動を開始し、萩原医師は2007年8月に現地入り後、2008年2月まで、海岸に到着した難民の捜索や緊急医療ケアを行いました。

難民たちは、なぜ命懸けで海を渡らなければならかったのか、どんな状況下で海を渡ってくるのか、到着後に彼らは何を語ったのか、現場で実情を目撃した萩原医師が、紛争の影で忘れ去られたボート難民の現状を写真を交えて詳しくお話しました。

【日時】 2008年4月9日(水) 19:00?20:00 (入場無料) 終了しました
【場所】 こどもの城 9階 研修室902-3 
(東京都渋谷区神宮前5-53-1 JR渋谷駅から徒歩10分/東京メトロ表参道駅から徒歩8分)

話者プロフィール

【萩原 麻美子(はぎわら まみこ) プロフィール】 内科医、福岡県出身

1999年 福井医科大学卒業。卒業後より、福岡医療団・千鳥橋病院にて勤務 萩原麻美子医師
2002年8月~2003年1月 マザーテレサの修道会(インド)にてボランティアを行う
2006年3月~2006年9月 MSFよりスーダン南部・アクエムに派遣
2007年~ 宮崎生協病院にて勤務
2007年8月~2008年2月 MSFよりイエメン・アワルに派遣

イエメンで活動当時の萩原麻美子医師からの手紙(10月5日付)

image

今回は新しく始める援助プログラムで、環境も違うので、いろいろと戸惑いながらも働いています。

移動診療を通じて、新しく到着した難民へ一次医療を行っています。

想像を絶する困難な状況で密航船に乗って辿り着くソマリアとエチオピアからの難民・移民の状況にショックを受けています。難民船の小さな日よけもないようなボートに超満員に詰め込まれて、膝を抱えた姿勢で3日間耐えて、少しでも動くと密航船の乗組員からぶたれたり蹴られたり、時にはナイフで切られたりして、食べ物はおろか、飲み水さえほとんど与えられず、しかも、イエメン沖で、密航船が沿岸警備隊に捕まるのを恐れて沖で難民達を海に突き落として、船はそのまま引き返すんです!泳げない人達は溺れて、遺体が浜に打ち上げられます。岸に生きて辿り着く人たちは、疲労困憊はしていますが、本当の重傷者は殆どいません。重傷者は岸に辿り着く前に溺れてしまうのでしょう・・・。

image

夫が溺れ死んだと泣き叫ぶ若い女の人、不安のため胸痛や息苦しさや全身の痒みを訴える人、沿岸警備隊や治安部隊に摘発されることを恐れて、疲れて弱った体でそのまま砂漠へ歩き出すエチオピア人たち。

この人たちに、何がしてあげられるんだろう・・・と、考えてもなかなか答えの出ない毎日です。


※萩原医師の体験談を「派遣者の声」にも掲載しています。

※MSFのイエメン関連のニュースリリース一覧