遺贈とは(一般)

「遺贈」という言葉を耳にされたことがありますか?

最近、マスメディアでも度々取り上げられる「遺贈」。
その意味は?相続や贈与とどう違う?よくいただくご質問をもとに、ご説明します。

遺贈とは?相続、贈与とはどう違う?

遺贈とは、「遺言(※)」によって遺産の一部またはすべてを相続人以外の者や団体に無償で譲ることをいいます。

    例えば
  • お世話になったあの方やこの方
  • 郷里の学校や大学などの教育機関
  • 病院や地方自治体やNPO法人
  • などです。

※ 遺書ではありません!!

また、日記やメモ、エンディングノートに想いを記載しても法的に有効なものにはなりません。

それに対して相続とは、「人が死亡した時、その者(被相続人)の財産的な権利義務を、法律及び遺言で特定の者(相続人)に引き継がせること」(出典:知恵蔵)、贈与は、「当事者の一方が無償で自己の財産を相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することによって成立する契約」(出典:デジタル大辞泉)で、それぞれ遺贈とは受取人や方法などが違うだけでなく、関わってくる税金の種類も違います。 ここでは、遺贈についてご説明します。

※遺贈は遺贈する側の意思表示でいつでも撤回は可能ですが、贈与は契約となるので一方的な撤回や辞退は難しくなります。

遺贈するには、どうすれば?~遺贈には遺言書が必要です~

「遺贈したい」という想いを実現するためには、しっかりとした「遺言書」にその旨を明確に記載しておく必要があります。

遺言書には大きく分けて2つ種類があります。1つは、自分で作成する「自筆証書遺言」、もう1つは公証役場で作成する「公正証書遺言」です。どちらも諸条件を抜けもれなく満たしてあれば、有効に機能しますが、自筆証書遺言の場合、書き方を間違えると無効になる、発見されない恐れや故意に隠される恐れがある、家庭裁判所による検認手続きが必要など、特に注意が必要です。そのため国境なき医師団では、基本的には後々トラブルの少ない「公正証書遺言」をお勧めしております。

また、遺言書には、ご本人の想いを誠実に実行していただく「遺言執行者」を選任し(決めて)、遺言書上に記載しておく必要があります。遺言執行者はご親族やご友人を含め、誰でもなれますが、専門知識が必要になる場合もあるので専門家にお願いするのも一般的です。
例えば、弁護士や司法書士、税理士、信託銀行などです。

遺贈は、大きく分けて2種類~特定遺贈と包括遺贈~

特定遺贈とは予め遺贈するものを特定している遺贈です。例えば現金はA団体へ、不動産はBさんへ、株はCさんへ など。

包括遺贈とは、遺贈するものを特定せず、「全部」や「全体の何割」などとして遺贈対象の資産を特定しない形の遺贈です。例えば、私の資産をすべてAさんへ または、私の資産の半分をBさん、もう半分をCさんへ など。

包括遺贈はマイナスの資産(負債)も併せて遺贈してしまうことになるので注意が必要です。

遺言書作成時はここにご注意!

  • 「遺留分」にご注意ください
      遺留分とは配偶者、子、親など相続人が最低限度保障された相続財産の受取分のことを言います。遺留分が保障されていないと後日相続人と受遺者の間でトラブルとなる可能性があります。
  • お受け出来ない遺贈もあります(国境なき医師団の場合)
      遺贈のご意思をいただいてもお受けできないものもあります。ご不明の際は遺贈担当者へお気軽にご相談ください。
        受け取れない財産の例(国境なき医師団の場合)
      • 換価が難しい山林や農地など
      • 換価が難しい地方のリゾートマンションなど
      • 権利関係が複雑な不動産
      • 未公開株・同族株
      • など
  • 「みなし譲渡所得税」~現金以外の遺贈の場合~
      現金以外にも不動産や有価証券(株や証券)なども遺贈が可能ですが、遺贈したものが遺贈者(遺贈寄付をされるご本人)が入手した時点よりも受遺者(遺贈寄付を受ける側の法人など)が売却した金額のほうが高かった場合に、その値上分に税金がかかります。これをみなし譲渡所得課税といいます。そしてその課税先は(受遺者ではなく)相続人となります。

      ご注意ください!

      例えばAさんがMSF(B)に不動産を遺贈し、MSF(B)がその不動産を売却するケースで不動産売却価格がAさんが取得した金額(購入価格)よりも高かったとき、税法上その差額分に課税される税金は、不動産を全く受取っていない相続人(Cさん)が支払う仕組みになっております。

  • ご家族へのメッセージを「付言事項」に残しましょう
      遺言書の内容が予め相続人が予期していないものであった場合や、ご家族やご親族間で不協和音がある場合に、遺言書中に「付言事項」という形でご本人のメッセージを遺すことができます。
      法的に拘束力が有るわけではありませんが、記載をする事により、故人の想いを汲んでもらうきっかけになるでしょう。

遺贈寄付~社会のために役立てる遺贈があります~

ここまでご説明してきた遺贈。そのうち、病院、教育機関、地方自治体やNPO法人などを受遺者(遺贈を受け取る者)とし、「寄付」として行われるものを「遺贈寄付」と言います。ご自分の想いを未来に託す新しい寄付のかたちです。

遺産を医療・人道援助活動に役立てる

たとえば、遺言書において、一部またはすべての財産の受取人として国境なき医師団日本を指定することで、医療・人道援助を通じた命を救う活動に遺産を役立てることができます。遺贈寄付について、くわしくはこちら

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  • イラスト:木下綾乃

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