ケニア:MSFの活動状況 -2月6日現在-
情報発信日 2008年02月14日
ケニア全土で社会不安が続く中、国境なき医師団(MSF)のチームはこの数週間に起きた暴動によって生じたさらなる援助ニーズへの対応を継続している。首都のナイロビでは、これまで10年以上にわたってスラム地区でHIV/エイズ患者の治療を行ってきたが、新たに暴動による負傷者を治療できるよう、医療チームが臨時診療所と緊急治療用の医療施設を設置した。西部のブシアとホマベイで活動中のチームはHIV/エイズの治療を継続しており、避難民の援助も行っている。ケニア西部の他の地域では、急増する援助ニーズへの対応を強化するために新たに派遣した緊急チームが、暴動の影響を受けた数千人の避難民への援助と、混乱状態に陥った現地の医療施設への支援を行っている。今後の優先課題は、最も脆弱な立場にいる避難民に暴動が及ぼす影響に継続的に対応し、避難民を受け入れている地域の住民や暴動に巻き込まれた人びとが確実に医療を受けられる体制を整えることである。
ナイロビのスラム地区
ナイロビにあるMSFの診療施設5ヵ所、マサレのブルーハウス診療所、キベラ南診療所、ガトウェケラHIV診療所、シランガ診療所、そしてムバガシ地域病院HIV診療所は平常通り活動しているが、患者の収容能力とスタッフの数を増強している。
ナイロビで続く暴動と不安定な情勢に対応するため、MSFはマサレ地区に緊急治療用の医療施設2ヵ所を設置し、またキベラ地区とマサレ地区の既存の医療施設で負傷者の治療にあたるスタッフを準備した。マサレ地区では、1月16日から2月4日までの間に150人の外傷患者を治療し、そのうち60人を病院へと移送した。
人びとがジャムフリ公園内の避難民キャンプに戻りつつあることから、チームは今後週に2度同キャンプを訪問し、HIV/エイズ患者への抗レトロウイルス(ARV)薬治療の提供と診察を行う予定である。キクユ・タウン、ザンベジ、リムル、ルイル、ジュジャ、ティカでは既に調査を終えている。MSFは、特にHIVや結核に感染している避難民の状況や、彼らに対する医療や援助の水準に関して、今後も継続的に状況を監視していく。
西部地域
チームはナクル、ナイバシャ、キタレ、エルドレットで増大している援助ニーズに対応している。
ナクル:1月25日から週末にかけて暴動が突発したため、チームは外科治療を要する患者の数が2日間で157人に上った病院の支援を増強した。大規模な手術はケニア保健省所属の外科医4人が行ったため、MSFのチームはトリアージを支援し、軽微な手術を担当した。また、ナイロビから必要な外科器具を空輸した。
ナイバシャ:1月28日、チームはナイバシャ病院で負傷者30人の治療を支援し、そのうち6人をナイロビの病院へ移送した。また刑務所や警察署施設に身を寄せている避難民に清潔な水、穴掘り式トイレ、ゴミ捨て場、シャワー施設を提供し、石鹸と毛布の配布も行っている。医療スタッフは、2月2日と3日に警察署で計152人の患者を、2月3日には刑務所で89人の患者を診察した。
キタレ:複数のチームがケランガニのキャンプ、エンデベのキャンプ、そしてキタレの屋外展示場で活動を行っている。ケランガニではテント870張を設置、1300世帯に住居を提供し、水の配給と衛生設備の設置を行い、救援物資を配布した。エンデベでは1500張のテントとトイレ80基を設置し、1日に1人あたり10リットルの水を配布している。また、子どもを対象としたはしかとポリオの集団予防接種ではケニア保健省を支援し、また救援物資も配布した。屋外展示場ではテント200~250張の設置を始めており、水・衛生設備も改善した。キタレ病院とこの地域にある他の医療施設に対しても、医薬品の寄付と輸送、医療スタッフの増強という形で支援を行っている。
エルドレット地域:チームはエルドレットに到着し、市街地とバーントフォレスト、ターボ、ナプコイなど周辺の村計12ヵ所で避難民に援助を提供した。他の援助団体も活動を開始したことから、MSFは1月21日にこれらの団体に活動を引き継いだが、2月2日には1チームが援助ニーズを再度調査するために現地に戻った。
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| ケリチョを拠点とする 移動診療チームによる診療の様子 |
ケリチョ地域:最近武力衝突が発生したことを受けて、MSFは病院をスタッフと物資の面から支援した。
移動診療チームはケニア西部地域の複数の場所、特にMSFがこれまでに特定した、援助をほとんど、あるいは全く受けていない状態で生活している避難民や周囲から孤立した状況にある人びとがいる地方部の孤立地帯を中心に巡回を続けている。これらの地帯の中には、暴動が今でも続いている場所もある。
モロおよびクレソイ地域:複数のチームが1月7日から20日までの間に2173人の患者を治療したが、治安悪化のため23日に移動診療の停止を余儀なくされた。その後2月5日に再開した。
キシ地域:MSFは救援物資を配布している。また、キシ病院に医療物資を寄付した。
ロンディアニおよびキプケリオン地域:移動診療チームがさまざまな場所で診察を行い、一次医療施設に対して医薬品を寄付している。また、2ヵ所の村で水・衛生施設を改良した。
ブシア、ホマベイ、マウント・エルゴン、カチェリバにおける長期にわたるプログラムは、平常通り継続している。
MSFはケニア保健省およびケニア赤十字社との間で活動の調整を行っている。
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