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ケニア:MSFの活動状況 −1月21日現在−

情報発信日 2008年01月24日

mapケニア全土で大統領選挙への抗議行動が続く中、国境なき医師団(MSF)のチームはこの数週間に起きた暴動によって生じたさらなる援助ニーズに対応している。首都のナイロビでは、これまで10年以上にわたってスラム地区でHIV/エイズと結核の治療を行ってきたが、新たに抗議行動の間に負傷を追った人びとを治療できるよう、医療チームが臨時診療所と緊急治療用の医療施設を設置した。西部のブシアとホマベイで活動中のチームはHIV/エイズの治療を続けており、避難民の援助も行っている。ケニア西部の他の地域では、急増する援助ニーズへの対応を強化するために派遣した緊急チームが、暴動の影響を受けた数千人への援助を続けている。今後の重要な課題のひとつは、暴動がこれから数ヵ月にわたって避難生活を続けると思われる最も脆弱な立場にいる避難民に間接的に及ぼす影響に、継続的に対応することである。

ナイロビのスラム地区

MSFはスラム街のマサレ地区に緊急治療用の医療施設2ヵ所を設置した。2008年1月16日から18日までの3日間で、暴動の犠牲者32人がこれらの施設で治療を受けた。そのうち、幼い子どもを含む数人は銃撃による傷を負っており、MSFはこれらの患者を近隣の病院へと移送した。また患者のうち7人は激しく殴打されており、入院の必要があった。いかなる負傷者も確実に診療所へ搬送できるよう、MSFはケニア当局の救急車サービスと連携して活動を行っている。

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キベラ地区における治療の様子

キベラ地区で活動するチームは18日、足に銃弾を受けた幼い子ども2人を受け入れた。ひとりは13才で、もうひとりはさらに幼かった。MSFはナイロビで予定されている3日間の抗議集会に備えて、殺到すると予想される負傷者を受け入れるために、キベラ地区にある診療所3ヵ所のうちキベラ南診療所とガトウェケラ診療所の2ヵ所を再開した。

キベラ地区にあるこれらの診療所と近隣のムバガシ地域病院において、MSFのチームはHIV/エイズの診察を平常通り実施できていたが、暴動と未だ続く情勢不安により、定期的に通院していた患者の何人かはキベラ地区とマサレ地区の診療所に通院できなくなっている。一例を挙げると、2007年12月31日から2008年1月14日までの間に、キベラの診療所とムバガシ地域病院では、290人の患者が予約していた診察を受けることができなかった。

MSFはこの問題を深く懸念している。HIV/エイズおよび結核に感染している患者は、定期的に治療薬を服用しなければ健康状態が悪化し、薬剤に耐性を生じる危険がある。また結核患者が抗結核薬を服用しなければ、周囲の人に感染させる危険が高まる。そこで、MSFが治療している患者と、現在閉鎖中の他の医療施設に通院していた患者を対象に無料電話によるホットラインを設置し、治療が継続できるよう対処した。1月21日には、予約日に診察を受けられず、治安悪化から避難していると見られるMSFの患者が、医薬品の入手方法と最寄りの診療所について電話で問い合わせることが可能になる予定である。

西部地域

ケニア西部では緊急医療スタッフと物資調達スタッフが、数千人の避難民が集まる複数の大規模なキャンプで活動を行っている。状況は流動的であり、援助ニーズもさまざまである。ある地域では、チームは数千人が定住している大規模なキャンプで活動し、一次医療の提供、食糧以外の援助物資の配布、清潔な水の配給と衛生設備の設置に取り組んでいる。一方、チームは未だに何の援助も受けていないより小規模な集団も発見している。このため、MSFのスタッフは避難民と地元住民の双方を対象に絶えず援助ニーズを調査し、臨機応変に対応している。一例を挙げると、キシでは、患者が大挙してやって来た病院は医療物資を必要とし、地元住民の支援を受けていた避難民はビニールシートや鍋などの基本的な物資を必要としていた。ロンディアニ周辺でのニーズは診療だったが、これには移動診療チームが対応した。

ナクルとモロには、避難民に医療を提供すべく複数の地区を巡回しているMSFの移動診療を増強するため、追加のスタッフを派遣した。エルドレットの状況は変化しつつあり、2007年12月には避難民が大規模に流入していたが、その多くが現在は町を離れたため、MSFは活動の見直しを行った。今後は4名からなるチームが、周辺の避難民キャンプ3ヵ所で水と衛生設備の提供に従事しつつ、今後緊急に発生する援助ニーズに対応できる体勢を整え続ける予定である。

コイバテク地方にあるティンボロアとムゲの中学校2ヵ所では、貯水容器、毛布、その他の基本援助物資の配布を行っている。

ケランガニにおいては避難民7千人への援助を継続しており、数百のテントとトイレをキャンプ内に設置し、水7千リットルを配布した。あるMSFのチームは子ども千人を対象にはしかとポリオの集団予防接種を組織しており、ケニア保健省が実施する短期間での緊急栄養調査の監督も支援する予定である。

キタレとウェブエでは、MSFは2つの病院を支援している。1月16日にエンデベの地域間で起きた激しい武力衝突の後、7人がキタレの病院への搬送途中で死亡し、負傷した5人はMSFの支援を受けている保健省の外科医療チームが治療した。エンデベでは、MSFは援助をほとんど受けていない、あるいは全く受けていない複数の集落でビニールシートとトイレ設置用資材の配布を開始した。18日にはトラック1台と貨物飛行機1機が合計70トンの物流資材と援助物資を載せ、ナイロビから西部に向けて出発した。

エルドレット、ナクル、キタレなどの都市部では多くの援助団体が活動を開始していることから、MSFはこれらの団体に活動を引き継いだ上で、一部の避難民が援助をほとんど、あるいは全く受けずに生活していると報じられている地方部における援助ニーズの調査と対応に焦点を当てる。今後はキミニニ、ケソゴン、カプチェロップにいる避難民への援助を開始する予定である。

ブシアとホマベイで長期にわたり運営しているHIV/エイズ治療プログラムは平常の活動を再開しているが、1月17日には道路の封鎖により医療スタッフがブシアの病院にたどり着けないという事態が発生した。ブシアのチームはHIV/エイズの治療に加えて、警察署付近に保護を求めて集まった避難民の援助も行っている。